11.24.2009

無駄を洗い出し「事業仕分け」防戦する傲慢な勘違いは改まるに違いない・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 〈三角まなこ〉とは、怒った怖い目つきをいう。〈三角波〉は、暴風の折によく海面に生じる。三角は心の緊張に縁が深いようである

 永田町や霞が関で用いられる隠語〈三角を立てる〉は、「減額する」ことを意味する。予算書などに減額の印としてつける「△」からきているらしい。来年度予算の概算要求から無駄を洗い出し、どこまで三角を立てられるか、政府の行政刷新会議による「事業仕分け」が緊張をはらみつつ前半の作業を終えた

 大ナタ片手に切り込む「仕分け人」と、予算を確保すべく防戦する各府省担当者との間に緊張が生まれるのは当然だろう。これまで密室でなされてきた査定作業を目の当たりにし、国の予算を身近に感じた人も多いはずである

 三角まなこの度が過ぎて、某財団の仕事を「能なしでもできる」と発言し、あとで陳謝した民間の仕分け人もいたが、24日からの後半戦では、この種の傲慢(ごうまん)な勘違いは改まるに違いない

 せっかくの斬新にして有意義な試みである。品位を欠く、知識を欠く、展望を欠く――の“三カク”を排し、各仕分け人にはもうひと汗、かいていただこう。

 11月19日付 編集手帳 読売新聞
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