〈逢(あ)いたくて 逢いたくて/星空に呼んでみるのだけど…〉。小沢一郎さんに恋慕の情は抱いてはいないが、衆院選で民主党を歴史的な大勝利に導いたお祝いに、昔、園まりさんの歌った「逢いたくて逢いたくて」を贈る
民主党の当選議員308人のなかには新人が143人いる。その多くが小沢代表代行(選挙担当)の手で公認候補に選ばれ、資金と戦術を授けられた、いわば“小沢チルドレン”である
すでにして党内最大勢力の小沢グループがさらに膨張するのは確かで、首相のいすに座る鳩山由紀夫代表も小沢氏の意に反する政権運営はむずかしかろう
現在の代表代行職には定例の記者会見をひらく義務もない。党内はおろか国政をも動かせる「数」を握った人には閣内であれ、閣外であれ、世間にしっかり顔を見せ、声を聞かせるポストに就いてもらうとしよう。「逢いたくて逢いたくて」である
万が一にも二重権力だ、黒幕だ、闇将軍だといった風評を招いては、民主党自慢の透明度に曇りが生じる。「逢いたくて…」の詞を借りれば、1票を託した人々も〈せつなくて涙がでてきちゃう〉だろう。
9月1日付 編集手帳 読売新聞
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