ある年の国連総会で、ある国の外相が代表演説をしたが、悪いことに割りふられた時間が昼食時だった。会場にいたのは、さる国の外相一人だけ。信義の厚さに感激してお礼を述べると、「どういたしまして、私はあなたの次に演説するものですから」という答えが返ってきた
「何ともひどい話だが」と、国連創設以来、長年にわたって事務局本部の要職を務めたアークハート元事務次長が回顧録で紹介している
それほどではないにせよ、退屈な各国演説が続くだけの光景は、毎年のように繰り返されてきた。しかし間もなく開幕する第64回国連総会は少し様子が変わるかもしれない
「チェンジ」を掲げるオバマ米大統領が初めて出席し、日本からも民主党の鳩山代表が新首相としてデビューを飾る。リビアからは最高指導者のカダフィ大佐もやってくる。核拡散や金融危機、地球温暖化、感染症、テロなど、世界全体で取り組まなければ対応できない問題はいくつもある
その解決を図りたいという意思は、どの国も持っているだろう。いかに合意し、具体化していくのか。各国首脳の口からそこを聞きたい。
9月14日付 編集手帳 読売新聞
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