9.30.2009

ゴールド系のネクタイ“勝負ネクタイ”取り換えても取り換えてもパッとしない柄ばかり・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 初めてネクタイを着用した日本人は、ジョン万次郎らしい。幕末に帰国した際、所持品を調べた長崎奉行所の記録に、「襟飾」や「胸飾」の記載がある。再び故国の土を踏む時のための“勝負ネクタイ”だったかも知れぬ

 鳩山首相がここぞという日に、夫人の見立てたゴールド系のネクタイを締めることはよく知られている。大舞台続きの訪米中は毎日がゴールドだった

 これだけ勝負ネクタイが知れ渡っては大変だろう。余計なことながら今後、赤や青の時に「きょうはリラックスモードですか」などと皮肉られはしないかと心配だ。もっとも、難題山積の現状からして在任中はずっと金色で通すことになるのかも知れない

 野党の自民党も総裁というネクタイを明日また新調するそうだ。年に1回、取り換えても取り換えてもパッとしない柄ばかりだったが、さて今度は勝負ネクタイとして通用するかどうか

 クールビズの季節が終わろうとしている。勝負ネクタイなどというしゃれたものはないけれど、久しぶりに襟元をキュッと引き締めて、社会人になった時の初心や緊張感を思い出してみるとしよう。

 9月27日付 編集手帳 読売新聞
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