〈我が家にも政権交代夢にみる〉。敬老の日を前に、全国有料老人ホーム協会が募集した「シルバー川柳」の入選作だ。千葉県に住む76歳男性の作品。同感同感、と苦笑する亭主族の顔が浮かぶ
〈夫婦仲社会福祉と妻は言い〉。これは広島県67歳男性の句。恐妻家をあけすけに気取ることができるのも長年苦楽を共にし、信頼し合う夫婦だからだろう。ごちそうさまと申し上げたい
今年は夫婦愛をテーマにした応募作が増えて、全体の1割近くを占めたという。紹介したような“婦唱夫随”ネタも、裏を返せば愛情表現と見なしてカウントされている。「不況もあってか、頼りになるのはやはり配偶者、という雰囲気が強まっているのかも」とは主催者の分析だ
100歳以上の高齢者が、今年初めて4万人を超えた。2人合わせて204歳になる夫婦もおられるという。その域までは達しなくとも、共に80代や90代で、元気かつ仲良い夫婦は珍しくない。あやかりたいものである
〈五十年かかって鍋と蓋(ふた)が合う〉と詠んだのは秋田県に住む76歳男性。これも自(じ)嘲(ちょう)しているんだか、のろけているんだか。末永くお幸せに。
9月20日付 編集手帳 読売新聞
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