6.21.2010

「再発防止」「ウミを出し切る」、幾度、一からの出直しを誓っただろう・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 先月、大相撲夏場所のテレビ中継に、〈テッポウ禁止〉の張り紙がちらりと映った。花道の奥、通路の壁である。突きの稽(けい)古(こ)をテッポウという。皆して突けば壁がもたないので禁じたのだろう

 日本国語大辞典(小学館)は『鉄砲』の項に、本来の武器としての鉄砲や相撲の稽古と並べて、「うそ」という語義を載せている。昔は「誓って鉄砲は申しませぬ」などと用いたらしい

 大関、琴光喜関(34)のテッポウにはがっかりした。「知りません」は、うそだったという。野球賭博に手を染めていたことを認め、名古屋場所の休場と謹慎を申し出た

 琴光喜関を含む相撲界の29人が野球賭博に関与したことを認めている。日本相撲協会は怒髪天を突く様子…かといえば、さにあらず、調査の手法といい、公表の形といい、内聞に済ませたい意図が露骨である。川端達夫・文部科学相から「協会に適切な対処は望めない」と見限られたのだから、始末に負えない

 やれ「再発防止」の、やれ「ウミを出し切る」のと、幾度、一からの出直しを誓っただろう。協会首脳陣の口もとにも〈テッポウ禁止〉の張り紙が欲しい。

 6月16日付 編集手帳 読売新聞
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