10.20.2009

韓国や中国に太刀打ちできる「ハブ空港」国家戦略として育てよう・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 子供のころ、誰もが口ずさんだ唱歌「オウマ」は林柳波が作詞した。〈オウマノ オヤコハ/ナカヨシ コヨシ/イツデモ イッショニ/ポックリポックリ/アルク…〉

 読売新聞文化部「愛唱歌ものがたり」(岩波書店)によれば、柳波は幼い娘を連れて千葉県成田市の三里塚御料牧場に遊んだとき、想を得て「オウマ」の原詩を書いたという。歌の舞台はいま、成田空港になっている

 前原国土交通相が、羽田空港を国際拠点(ハブ)空港にする意向を表明した。「国際線は成田、国内線は羽田」という原則は取り払うという

 羽田と成田、“空港の親子”がポックリ、ポックリ仲良く歩いているうち、日本は国際空港の実力で韓国や中国に大きく水をあけられた。国家戦略として1頭を外国に太刀打ちできる競走馬に育てようとするとき、都心に近く利便性の高い「羽田」を選んだ判断は間違っていない

 お馬の親子が似合う成田の田園風景が空港に姿を変えるまでには、激しい反対運動があり、血も流れた。「これからは脇役で」と告げられても、地元は戸惑うだろう。前原氏が情理を尽くして語るしかない。

 10月14日付 編集手帳 読売新聞
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