きょう夕刻から半日で三つの「戦(いくさ)」に臨む心境と言えば大げさか。野球にたとえれば「ダブルヘッダー」ならぬ「トリプルヘッダー」であろう。陣取る場所はテレビの前。酒肴(しゅこう)の準備も抜かりなく
いきなり初戦の大相撲名古屋場所で出端(ではな)をくじかれそうである。取組数が減るのも痛いが、仕切りや花道での表情、呼び出しの声などが削られたダイジェスト番組はなんとも味気ない。お次は参院選の開票速報
こちらは日本の未来や明日の生活を票に託した候補者に審判が下る。当落判定や開票状況が驚きの速さで伝えられ、現場の明と暗も次々中継されるから見ていて飽きない。気がつけば、欧州の強豪同士がW杯を争う決勝戦の笛
米大リーグには最後のトリプルヘッダーとして1920年のパイレーツ、レッズ戦が記録されている。ラジオ放送は翌年からだから、1日3戦を生で味わったのは球場に足を運び、通しで見た熱心なファンのみである
賭博絡みの八百長で8選手が永久追放になった「ブラックソックス事件」はその前の年。失墜した信頼を取り戻せるか、どこか名古屋場所に似たシーズンだった。
7月11日付 編集手帳 読売新聞
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