日米関係に強い逆風が吹いている時だからこそ、6、7年前の黄金時代が思い出される。「小泉・ブッシュ」の個人的な信頼関係を基礎に、「戦後最良」と称されていた
日本側にとって対米交渉は楽だった。「課長から局長、次官、閣僚、首脳と、上に上げれば、最後は小泉・ブッシュの協議で日本の主張が通ると日米双方が分かっていた」。複数の外交官が証言する。「だから米側はその前段階で妥協してきた」
米軍普天間飛行場の移設先や、海兵隊のグアム移転の費用負担の交渉で米側が譲歩したのは、その実例という。それほどワシントンでは大統領の権限は絶対で、大統領の盟友の「小泉カード」が強力だった
残念ながら今はその逆で、鳩山首相はオバマ大統領との会談もままならず、その影響で実務者級の協議も低調だ。外交は、結果重視の冷徹な世界だ。小泉元首相は、インド洋やイラクへの自衛隊派遣という重い決断をすることで米国の信頼を勝ち得た
鳩山首相がその口癖の「思い」を伝えるには、信頼に足るパートナーであることを行動で示す必要がある。八方美人では「片思い」に終わる。
4月26日付 編集手帳 読売新聞
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