5.13.2010

日本列島の光の中に“世話焼き”現実は必ずしも笑顔で満ちてはいない・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 〈地球はね 笑顔がつまった 星なんだ〉。こどもの日から11日まで続く児童福祉週間の標語だ。滋賀県に住む小学6年生が作った

 ママさん宇宙飛行士の山崎直子さんも、天空から見た日本の夜景に感動したという。日本列島の光の中には星空を見上げて「山崎宇宙飛行士のようになりたい」と目を輝かせる大勢の少年少女がいた。かつての自分と同じ、夢見る笑顔を感じたのかもしれない

 親の世代が生き生きと活躍し、その姿に憧(あこが)れる子供たちがまた羽ばたいていく。そんな笑顔と夢のリレーが続く社会でありたいと願う

 現実は必ずしも子供たちの笑顔で満ちてはいない。孤立した子育て家庭が増え、児童ギャク待事件も相次いでいる。昔ならば地縁血縁が受け持っていた“世話焼き”の機能を、どう補えばよいのだろう。鳩山政権は「子供政策にもっとお金をかけよう」と言うけれど、巨額の子ども手当を最優先にしたままでは、他の施策にお金が回るとの期待感がわいてこない

 児童福祉週間の後半、そして母の日。親子の笑顔を世の中にあふれさせるにはまず何をすべきか。鳩山さんに熟考してもらいたい。

◆5月9日付 編集手帳 読売新聞
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