2.19.2010

ローカル「地域主権」頼らない、自立でふるさとを変える・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 合言葉は、「ローカル・アンド・ローカル(地方と地方)」だ。青森、山形、山梨、長野、福井、奈良、島根、高知、熊本の9県知事が政策グループ「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」を結成した

 教育、産業、観光などの分野で、お互いの先進的な政策事例を共有し、各県の施策に活用する。ある県が別の県の農協と連携して新商品を開発・販売したり、大学と共同研究に取り組んだりする

 あえて「田舎の知事」ばかりが集まった。鳩山政権は「地域主権」を掲げるが、「国主導で国と地方のあり方を変えるのは難しい」と訴える。5月には地方の発想による独自の政策提言を発表する予定だ

 無論、その道のりは簡単ではない。バブル崩壊後の「失われた10年」と小泉改革で、地方経済は疲弊した。若者や企業の大都市圏への流出が続く。9県の担当者が相談に集まる先も結局、東京となった。「日本の交通が東京中心に構築されているのを実感した」という

 どの県にも特有の魅力がある。東京に頼らない「ローカル」の魅力を最大限に引き出し、育てるため、知恵を絞ってもらいたい。

 2月15日付 編集手帳 読売新聞
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