1.08.2010

「JAPANブランド」日本の成長に弾みをつけるカギがそこにある・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 漆の語源は、「うるわし(麗し)」とか「うるおし(潤し)」に由来するという。漆が塗られた酒器で屠蘇(とそ)を飲んだり、重箱のおせちで新年を祝うのは正月ならではだろう

 漆器は海外でかつて、「japan」と呼ばれた。その名の通り、日本を代表する伝統工芸品だ。国と商工会議所などによる「JAPANブランド」のキャンペーンが6年目を迎えた。漆器にあやかり、巧みな技を生かした新たなブランドを育てようとしている

 1月下旬のパリでの展示会には、漆器をインテリアに応用した福島県会津の「BITOWA」、京都の錦織クッションカバー、国産藺草(いぐさ)を使った福岡県の花ござ「KUSAWAKE」などが出展される。兵庫県淡路島の「香彩芳香」は、お香をアレンジした癒やしの香りだ

 アパレル業界でも、「tokyoeye」(トーキョーアイ)という商談会を上海などで開催している。デザイナーの才能を発掘し、可能性を秘めた日本発のファッションを世界の舞台に送り込んでいく

 人々の心をつかんだブランドは、海外販売につながるだろう。日本の成長に弾みをつけるカギがそこにある。

 1月4日付 編集手帳 読売新聞
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