〈社会保険庁〉と〈不祥事〉をキーワードに小紙の記事データベースを検索してみる。過去5年でなんと200以上の記事がヒットした
年金記録の杜撰(ずさん)な管理だけでなく、加入者情報の覗(のぞ)き見や漏洩(ろうえい)、不明朗な随意契約、年金解説書の監修料稼ぎ…などなど、噴出した問題は十指に余る。行政不信を決定的なものにした“晩年”の有り様は、政権交代を招いた要因とも言えるだろう。その社保庁もあと数日、今年が終わると同時に廃止される
〈わかりやすい言葉でていねいにご説明します〉〈電話は3コール以内に出ます〉〈ご相談のお待たせ時間は30分以内を目指します〉…不祥事を数えた同じ指を折りながら一つ一つ読んでいくと、これは十指でちょうど収まる。社保庁に代わって、新年に産声を上げる日本年金機構の「お客様へのお約束10か条」だ
こんな基本中の基本を改めて掲げますかね、と、民間企業に勤める方はたぶん笑ってしまうだろうが、新組織は社保庁とは違う、という意気込みの表れと今は評価しておくことにしたい
看板が替わっただけじゃないの、と国民を失望させませぬように。
12月27日付 編集手帳 読売新聞
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