〈仕事を幸福の原因の一つに数えるべきか、それとも、不幸の原因の一つに数えるべきか〉。バートランド・ラッセルの幸福論第14章「仕事」の書き出しだ
日本生産性本部が今年入社の会社員約3000人に「デートの約束がある時に残業を命じられたらどうするか」と質問した。結果は、仕事を選んだ人が83%、デートを選んだ人が17%だったという
ほう、そうですか――と聞き流すこともできるが、同じ問いを1972年(昭和47年)から続けていると聞けば興味がわく。今年の数字は、仕事を選んだ人が過去最高、デートは過去最低らしい。ちなみに同年の調査では、仕事69%、デート30%だった
定年間近にさしかかった72年当時の新入社員の皆さんは、今年の新人諸君をどう見るだろう。頼もしいと感じるかもしれないし、あるいは、この不況では会社に従順にならざるを得まい、と同情するのかもしれない。調査から何を読み取るかは難しい
デートより優先するかどうかはさておき、できれば仕事は楽しくやりたい。ラッセルはそうするための要素の一つを「建設的であることだ」と言っている。
7月5日付 編集手帳 読売新聞
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