2.15.2009

天空に浮かぶ「きぼう」に滞在中も宇宙から希望を届けたい・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 〈西暦2009年となった。少年の日、その時自分は、既にこの足で火星の上に立っているつもりでした〉。漫画家の松本零士さんが、近く宇宙に飛び立つ若田さんに宛(あ)てたメールの書き出しだ

 本紙ホームページで「若田光一との対話ブログ」が始まった。松本さんは、現実の進歩が思ったより遅いことを少し嘆きつつ、日本人の長期宇宙滞在が実現することを喜ぶ、その複雑な思いを次の一言に込めている。〈ああ、自分も今、小学生だったらなぁ〉

 若田さんの返信には、「銀河鉄道999」など松本作品から宇宙への夢とあこがれをもらったように、宇宙から希望を届けたいとある。松本さんら6人の対談者は、若田さんが天空に浮かぶ「きぼう」に滞在中も公開メールを交わす。宇宙と地球の間でどんなやりとりになるのか、楽しみだ

 球児だった若田さんには野球のボールも一つ、託された。その中に松本さんの思いを継ぐ小学生の夢やメッセージが埋め込まれている。国際宇宙ステーションで宇宙飛行士たちが投げ、受ける

 言葉と夢のキャッチボールは子どもたちの胸にくっきり焼き付くことだろう。

2月15日付 編集手帳 読売新聞
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