7.06.2008

「深刻なテーマが山積…」 編集手帳 八葉蓮華

欧米の首脳たちがリラックスした様子で、一団となって歩いている。福田首相は一人だけ、1メートルほど遅れてついていく。30年前の西独ボン・サミットを報じる紙面に、そんな写真が載っていた。福田首相とは、もちろん現首相の父、赳夫氏。「一歩下がって孤立漂わす」と見出しがついている◆初期のころのサミットの、お定まりの光景だ。日本の総理大臣はいつも隅の方にいて、どこか“出席させてもらっている”という雰囲気だった◆最近のサミットではわが首相が一団の中にいようが端にいようが、かつてほど関心事にならない。今はさまざまな形で首脳会合が頻繁に行われることもあるが、日本の存在感と責任の大きさは、もう誰もが分かり切っているからだろう◆きょう6日、洞爺湖サミットに出席する各国首脳が続々と来日する。議長を務める現・福田首相は、いやおうなしに真ん中に立つ◆地球温暖化、食料危機、原油高騰…。たじろぐほどに、深刻なテーマが山積している。康夫氏の手綱さばきに期待しつつも、隅の方で控え目にしていられた時代であれば――などと、少しばかり思わぬではない。

7月6日付 編集手帳 読売新聞

八葉蓮華、Hachiyorenge