「人生ゲーム」人生、山あり谷あり ・・・ 編集手帳 八葉蓮華
サイコロを振り、止まったマス目の指示でカードをめくる。〈議会へのデモに向かう。投げる卵を買おうとしたものの、あまりにも値上がりしていたため買えず〉◆その出来事は幸なのか不幸なのか、よく分からないけれど笑える。経済危機で大混乱のアイスランドに、現状をネタにした「危機ゲーム」が登場――と英紙フィナンシャル・タイムズが報じていた◆記事によると、発案者はこの不況で失業した男性とのことだ。発売元の会社は「ユーモアがあれば今の危機は乗り切れる」と宣伝している。明るいお国柄なのだろう。実物を見たわけではないが、察するに人生ゲームのような双六(すごろく)らしい◆「人生、山あり谷あり」の宣伝文句で知られた「人生ゲーム」は、今年ちょうど日本発売40周年。今ではテレビゲーム版も出ているが、昔ながらの盤面タイプも時代とともに少しずつ内容を変え、根強い人気を保っているという◆クリスマス前のきょうあたり、買い求める人もいるだろう。日本の人生ゲームには、アイスランドのような出来事は登場しないようだ。だからといって、ホッとしてはいられないけれど。
12月21日付 編集手帳 読売新聞
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