窒息事故 飲み込む力が弱くなってきた・・・ 編集手帳 八葉蓮華
年の瀬は一年のさまざまな事故統計が気になる。まず交通事故だ。死者数は年々減少しており、今年は5000人を少し上回るあたりでとどまりそうな見通しである。一昔前までは年間1万人を超えていた
これは事故から24時間以内に亡くなった人の数で、最終的には残念ながら8000人前後になってしまうだろう。それでも着実に減りつつあることに変わりはない
一方で亡くなる人の数が年々増加し、近年、交通事故より多くなったのが窒息事故だ。年間9000人以上とは驚く。半数が食べ物をのどに詰まらせたケースで、うち8割以上は、飲み込む力が弱くなってきた高齢者という
今年はコンニャク入りゼリーの事故が記憶に強く残っている。だが、これに限らず、食品はすべて油断大敵。今の時期は何と言っても餅に気をつけたい。専門家は予防策の第一として、一口で食べる量を小さくし、飲み込もうとする前にもう5回、余計に噛(か)むよう勧めている
万一の時に傍らに人がいるかどうかも大切だろう。年末年始を一人で過ごすお年寄りが増えているとすれば、それもやはり気になるところだ。
12月28日付 編集手帳 読売新聞
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