4.11.2009

「わざと負けろ」悲しい指示にやむなく従い、自滅の6連続オウンゴール・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 いま、米国で夢の舞台に臨んでいる17歳のプロゴルファー、石川遼選手の座右の銘は〈急がば回るな〉です

 目の前の苦難を避けて回り道をするのではなく、まっすぐに苦難を見つめて乗り越えていく。石川選手よりも少し年下の中学生ですが、競技は違ってもフットサルというスポーツに汗を流すあなたたちです。意味するところは分かるでしょう

 新潟県内の大会で、コーチの教頭先生は「わざと負けろ」と命じたそうですね。勝てば、苦手にしている学校と次にぶつかってしまう。苦難を避けて、負けろと。あなたたちは悲しい指示にやむなく従い、自滅の6連続オウンゴールで大敗しました

 持てる技量と覇気を封印された悔しさと、対戦相手を侮辱してしまった後ろめたさに、心は重く沈んだに違いありません。日本サッカー協会から1年間の活動停止処分を受けた教頭先生よりも、あなたたちが負っただろう傷の深さに同情しています

 不幸な試合を通して、〈急がば回るな〉の神髄に触れた人もいるでしょう。日々の練習に一層の熱がこもることを祈ってやみません。傷跡に咲く花も、きっとあります。

4月11日付 編集手帳 読売新聞
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