4.27.2009

就任から100日「オバマ大統領」かすかな希望の光・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 1週間ほど前、本紙のよみうり時事川柳に選ばれた秀作に、こうあった。〈オバマ家の愛犬ボーがキャンと鳴く 静岡 杉本正則〉。「イエス、ウィー・キャン(私たちにはできます)」の流行語を生み出した米大統領のお宅では、飼い犬も姿勢が前向きに違いない

 未曽有の金融危機の最中に就任したオバマ大統領は、大恐慌のまっただ中で登壇したフランクリン・ルーズベルト大統領とよく比べられる

 就任から100日で15本の重要法案を成立させ、回復への基礎を作った先輩に負けることなく、ぜひとも強力なリーダーシップを発揮して、早く米経済を立て直してほしい。それが、アメリカ国民だけでなく世界の人々に共通する願いだろう

 オバマさんの視力はいい方らしい。「米経済はまだ決して安心できないが、かすかな希望の光が見え始めている」と、展望が明るいことを再三、強調している。もっとも、オバマ号は「高速ボートではなく遠洋汽船」で、目標達成まで時間がかかるとも言い添えるが

 就任後100日目の記者会見では、愛犬ではなく飼い主の口から「キャン」を聞きたいものである。

4月27日付 編集手帳 読売新聞
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