6.22.2009

使えるうちに買い替え「エコひいき」ゴミの削減、中古品の再利用、資源のリサイクル・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 エアコンは10・3年、冷蔵庫は9・9年、カラーテレビは9・2年…という。2008年度に家電製品を買った家庭が、買い替え前の製品を使った年数である

 家電のいわば「寿命」だが、耐用年数とは違う。エアコンとテレビはほぼ2台に1台が、冷蔵庫も3台に1台がまだ使えるうちに買い替えられた。「寿命」は前年度より短くなって、今年度はさらに縮むかもしれない

 国がポイントを還元して省エネ家電への買い替えを促すエコポイント制度が始まった。省エネでいわゆる“環境に優しいエコロジー”を進める狙いだが、少々もったいない気もする

 江戸の人々は着古した浴衣をおしめ、ぞうきんに仕立て直し、最後はほぐして土壁の材料に混ぜた。徹底した使い切りには、ゴミのリデュース(削減)、中古品のリユース(再利用)、資源のリサイクルという「三つのR」の精神が生きていた。学ぶべき点が多い

 エコポイントやエコカーの購入補助には、消費を刺激して経済(エコノミー)を支える二つ目の「エコ」の顔もある。でも「R」と違って三つ目はない方がいい。特定業種の「エコひいき」は。

 6月22日付 編集手帳 読売新聞
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