5.08.2009

犬も食わない「夫婦げんか」失言や醜聞の連続・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 夫婦げんかで形勢不利に陥った亭主族には、試みて損はない“奥の手”があるという。作家、梶山季之(としゆき)さんの創案で、「冷蔵庫の扉をあけ、野菜や果物をつかみ出せ」というものである

 一つや二つは傷みかけの食材や不要な物が見つかるはずで、「汗水垂らして稼いだゼニを」と嘆いて劣勢をはねのけるという。女性も汗水垂らして稼ぐのがめずらしくない当節のこと、効果のほどは保証の限りでない

 冷蔵庫作戦ごときではもはや形勢の挽回(ばんかい)は図れなかったか。イタリアのベルルスコーニ首相(72)の夫人、ベロニカさん(52)が書簡をメディアに公開し、女性関係の品行が改まらない夫を「恥知らず」と非難したという

 首相は失言癖でも知られ、先月は地震被災地の子供に「テントで暮らすのはキャンプに行くようなもの」と語って物議を醸したばかりである。経済危機、震災、新型の感染症と多事多難の折も折、失言や醜聞の連続に人々の心情やいかに――と、よその国のことながら気にかかる

 劣勢の夫は「濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)」説を唱えている。ご夫妻宅の冷蔵庫の中身が何にせよ、犬も食わないのは確かなようである。

 5月8日付 編集手帳 読売新聞
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