5.11.2009

楽観も悲観も寄せ付けない「構造改革」言い分に耳を傾ける・・・ 編集手帳 八葉蓮華

 財布の中のお金でも、グラスに残ったお酒でもいい。「まだ、こんなにある」と楽観するか、「もう、これしかない」と悲観するか

 日常会話にも時々登場する、人間のタイプの二分法である。よく出来た設問だと思えなくもないが、予(あらかじ)め定められた選択肢から答えを選ぶ気分は、乗せられているようですっきりしない

 数年前、当時の小泉首相は、構造改革賛成派か抵抗勢力かと、踏み絵を迫る勢いで問いかけた。米国のブッシュ政権は、対テロ戦争をめぐり、国際社会を敵と味方に峻別(しゅんべつ)する姿勢に傾いた。その後、一刀両断的な政治手法は長続きしなかったけれど

 就任後100日を経たオバマ米政権は、他国の言い分に耳を傾けることを外交の重点に置く構えだ。政策の力点は、イラクからアフガニスタン、パキスタンへと移る。そこには、イスラム過激派との戦いが待ち受ける

 国際政治の帰趨(きすう)もさることながら、先日、映画「子供の情景」を見て、アフガン情勢の一端に触れた気がした。遊びや教室風景を通して描かれる子どもたち。その向こうに、楽観も悲観も寄せ付けないこの国の現実が見え隠れした。

 5月11日付 編集手帳 読売新聞
創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge